Solar weekly vol.3/トピックス(1994.2.18 FRI 発行の記事です)

地域工ネルギー供給型太陽光発電構想・工業技術院電子技術給合研究所/筑波
「これまで行われてきた太陽光発電システムの開発の主眼は、もっぱら住宅用の系統連系保護に向けられてきしかし、今後さらなる普及を図るためには、太陽光発電システムの利用を面として捉える視点が必要である」。これは昨年末、工業技術院電子技術研究所によって発表さた「地域工ネルギー供給型太陽光発電システム(PV-AREA) 」(※3) 構想の考え方だ。
同研究所では「PV-AREA」の基本技術の開発を今年から開始。まずは茨城県つくば市内に太陽エネルギーの観測網を設置して、9箇所程度の観測点で太陽エネルギーが時間によってどう変化するかを調べる。雲などが移動した場合でも、全観測点のエネルギーを総合すれば日射強度の極端な変化が少なくなる”ならし効果”(※4)などを探るのが目的だ。
「PVーAREA」は、基本的には従来の個別システムを集めたものであるが、一つの集落から国レベルまでの広い範囲の地域を対象とする(※5)システムであり、一箇所の点の設置から面的な拡がりをみせるようになると、その地域の総合的な特性が生かされ、その他のシステム構成の可能性も出てくる。
今後、同研究所では、地球規模のエネルギーネットワークにも対応できる構想として「PVーAREA」の実用化を目指しており、そのベースケーススタディとして、世界の主な砂漠に太陽光発電システムを設置した場合を想定し、そのシステム全体の効率を評価したり太陽光エネルギーの全世界的な分布図作成を進めるなど具体化を進めている。
◎工業技術院電子技術研究所
0298-54-5411(代表)
(※3) 地域エネルギー供給型太陽光発電システムPV-AR EA(PV systems forAdvanced Reggiional Energysupplying Activity)の構想は、工業技術院電子技術研究所黒田浩助氏によって、昨年12月開催の日本太陽エネルギー学会・風力発電協会合同研究発表会において発表された。
(※4) 例えば、一点に設置された太陽光発電システムは雲が掛かれば大きな影響を受けるが、システムが大量に普及し面的な設置がなされていた場合には、ある大きさの雲の移動に従って各観測点の日射強度が時間の経過と共に変動し、トータルとしては日照や需要を平約化する効果が得られる。
(※5)「PV-AREA」の設置方法については、①日射条件に恵まれた発展途上国の荒れ地、砂漠、将来的には洋上を想定している「集中配置」方法と、②まとまった用地の確保が難しい地域である、山岳地帯、既存集落、都市近郊コミュニティ、産業団地などを想定した「分散配置」方法が考えられる。
コメント