特集:太陽電池 第1回 今年3月にエネルギー交換効率の世界記録を達成/ホンダの「太陽電池モジュール」

Solar weekly vol.20/特集(1994.7.4 FRI 発行の記事です)

地球上にさんさんと降り注ぐ太陽の光を電気のエネルギーに変換するという、この素晴らしいアイディアの生みの親は、米国ベル研究所のG.L.ピアソンだった。
彼は当時、シリコン結晶の表面に極めて薄いP型(マイナス電荷を引き付ける)とN型(プラス電荷を引き付ける)の層を形成する拡散技術の研究 に集中していた。研究に没頭するうちに、彼は、半導体に光が入射した時に起こる「光起電力効果』すなわち、今日のシリコン太陽電池の原理を見つけ出したのである。1954年のことだった。

その後、この原理は、1958年に米国の人工衛星・バンガード1号に搭載されて通信用の電源に使用され、日本でも現在「気象術星・ひまわり」「放送衛星・ゆり」などに使われている。
そのほか、太陽電池の応用は Solar Weeklyでも毎回ご紹介しているように、電卓、時計、ラジオなどのエレクトロニクス製品から交通標識、ポンプシステム、無線中継局、灯台など幅広い。また、最近ではソーラーカーやソーラーボート、ソーラー飛行機などの開発が進み、国内外のソーラーカー・ラリーのイベントも話題にのぼるようになってきている。

太陽電池特集・第一回では、1993年にオーストラリアで開催された「ワールドソーラーチャレンジ」で快走し、みごと優勝を果たしたホンダ「ドリーム』号に搭載されている「太陽電池モジュール」をご紹介する。
「ワールドソーラーチャレンジ1993」での「ドリーム」号優勝には、本田技研工業の研究開発子会社である本田技術研究所と、米国のベンチャー企業・サンパワー社(カリフォルニア州)との共同開発によって製作された『太陽電池モジュール」がおおいに貢献している。
サンパワー社製の太陽電池を使い、ホンダで研究開発した技術によってモジュール化し、高いエネルギー交換効率を達成することができたからである。

そして今年3月、共同開発による『太陽電池モジュール』は、太陽電池測定の世界基準機関である「SANDIA(サンディア)」国立研究所(米国ニューメキシコAN) によって、そのエネルギー交換効率が21.6%と測定され、それまでの世界記録であったオーストラリア・ニューサウスウェールズ大学の2 0.5%を大幅にしのぎ、世界新記録をぬりかえた。

ホンダのモジュール化技術は、シリコン単結晶タイプの太陽電池を直列に高密度で接続し、シリコン系接着剤とアクリル樹脂でラミネートしている。表面を覆うラミネート材には特殊な溝がつけられたアクリル樹脂を使用しているが、この溝が太陽光の反射を低減する。さらに、一度モジュール内に入った光を外に逃がさないライトトラッピング構造(光り閉じ込め構造)も採用している。

サンパワー社のシリコン単結晶タイプ・高性能太陽電池と、光透過率の高いラミネート材料の選定、表面形状を施す技術、ラミネート技術、太陽電池どうしの高密度接続、これらの全てによって優れたエネルギー交換効率21.61%を得ることができたのである。

取材協力◎本田技研工業(株/03-3423-1111

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事 おすすめ記事
  1. 登録されている記事はございません。
  1. 社員の自宅に太陽光発電を設備し実用化試験

  2. シンポジウム・地球規模で考えよう

  3. この春開通した、石川県・都市計画道路東山内灘線金沢市湊2丁目=木越町間の3ヶ所に「アイ太陽灯」を導入

カテゴリー

アーカイブ

検索


TOP
TOP