世界発の「宇宙太陽光発電システム」国家計画が先送りに

Solar weekly vol.6/トピックス①(1994.3.11 FRI 発行の記事です)

実用化に向けた「企業化調査」予算が通らず・通産省

通産省では、「宇宙太陽光発電」の実用化に向けたフィジビリティ・テタディ(企業化調査)を来年度から2年計画で開始する予定で予算要求を進めていたが、残念ながら来年度予算に通すことができず、先送りされた。

「宇宙太陽光発電システム」は、高度3万6千kの赤道上の静止軌道に太陽電池衛星を乗せ、発電した電力を増幅器を使ってマイクロ波に変換して地上に送る。

通産省では、平成3年度から5年度まで「宇宙発電システムに関する調査研究」を行い、諸外国の研究動向を調査。2040年頃の実用化を目指して研究を進めてきた成果を踏まえ、来年度は1億円をかけてシステムの要となるマイクロ波送電の実験設備を建設する計画(※1)を立案していた。

「宇宙太陽光発電」は、クリーンで無尽蔵の太陽エネルギーを最も効率的に利用できる技術であるばかりでなく、地上で受けたマイクロ波を衛星を介して別の場所に転送できるため、離島やツンドラなど電線の引けない地域への送電も可能。また、放送などでマイクロ波を利用して送電するため、天候や昼夜に左右されることなく電力供給できる。

「宇宙太陽光発電」実用化の計画は日・米・仏で検討を重ねているが、石油危機を契機に米国が、横5kmX縦10kmの発電衛星60基で全米の総電力をカバーしようという構想を立てたこともあった。しかし、20兆円という巨額な費用を必要としたため棚上げされた。今回我が国が国家計画として実験に着手すれば、世界で初めてのことであった。

◎新エネルギー・産業技術総合開発機構 公03-39 87-9311

◎「宇宙太陽光発電システム」は、2040年頃の実現を目指して進められている。

(※1) 今回建設を予定していたのは、マイクロ波の発信・増幅器、送受電アンテナ、整流器という、高エネルギーマイクロ波の送電システム。これらの施設を使用して①エネルギー損失の少ないシステム体系。②マイクロ波の送受電技術。③環境・生態系に及す影響。などの調査を行うとしていた。

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